毛髪とは、動物性天然繊維であり生体で造られた有機高分子化合物でケラチンと言う蛋白質で、硫黄を多く含んだ硬蛋白質でできています。
ケラチンは、20数種のアミノ酸で構成され毛髪を構成している元素は、炭素(C)、酸素(O)、水素(H)、硫黄(S)、窒素(N)の5元素から成っています。

 
日本人とアングロサクソン人の標準毛のアミノ酸の有含割合の1例

 
 
日本人
アングロサクソン人
炭素(C) 50.65% 49.85%
酸素(O) 20.85% 23.20%
水素(H) 6.26% 7.51%
硫黄(S) 17.41% 16.80%
窒素(N) 5.00% 4.02%

 
と言った具合ですが、シャンプーやカラー、パーマやスタイリング剤などにより、多くの不純物も含まれると思われます。



 
◇◇ 髪はなぜ傷むのか ◇◇

本来髪は強い繊維です。実際2000年前のミイラに髪が残っていたりします。 これほど風化しにくいものですが、現代人の髪の傷みは物理的な要素がいちばん多いと思われます。むりなブラッシングや摩擦で、次がドライヤーの熱で蛋白変性をおこします。次がカラー・パーマです。
一般に使われている2浴式コールドパーマによる傷みは、美容師の2液の認識不足と1液のオーバータイム(過剰膨潤)によるものが多いと思われます。髪の結合は、水素結合、シスチン結合、塩結合の3つの結合から成っており、これを分解しロットに巻き付けた状態で再結合させてウェーヴを定着させます。この時の分解ですが水素結合は、水に濡れたら分解し、乾いたら再結合します。シスチン結合は、1液の水素により分解され、2液のブロム酸の発生する酸素により再結合されます。塩結合は、1液のアルカリにより分解されますが、2液は中性なので2液だけでは再結合できません。

これを理解してない美容師が多いのです…。

これを再結合させるには別に酸化剤を使う必要があります。
この酸化剤を使わなかった場合、パーマの臭いが何日ものこりガサツキが残ります。一週間ほどで空気にふれ空気酸化しておちつきますが、ダメージが残ります。この3つの再結合ができなかった場合は、物理的な事や、熱よりも傷みます。

カラーもアルカリ側で作業しますので酸化剤が必要です。

マニキュアは傷まないと思われがちですが、樹脂なので、髪に浸透して一ヶ月ほどで紫外線により変性し、ガサつきます。特に日にあたる表面の髪から傷みます。

シャンプーも樹脂が入っているものは髪の表面が染めてなくても明るく褪色します。とくにリンスインタイプは使いはじめはいいのですがしばらくするとガサガサします。これが俗に言うポリマー焼けです。

ちなみに、無色透明のシャンプーは、樹脂が少ない物が多いようです。

洗ったときしっとりタイプは樹脂が多い物ですが、アミノ酸タイプは樹脂がなくてもしっとりする物もあります。しかし、髪は濡れた状態では、塩結合が分解されているのですから、ギシギシするのが当たり前です。乾くとかってにさらさらになるのにトリートメントやコンディショナーを塗るのでカチオン(+電子)リッチになり、重たい髪になるのです。トリートメントやコンディショナー にも樹脂は多く含まれている商品が多いようです。いつもまめにトリートメントやコンディショナーをしているのに髪が傷むと思うかたは、洗顔フォームで2〜3日洗ってみて下さい。もちろんリンスもせずに…。かなりギシギシしますが、ガマンしてそのまま乾かしてください。そのときもつれを無理にとかさず毛先から少しずつ溶かして下さい。

パーマの1液のあの臭いですが、実は臭い液ほど髪は傷みません。パーマの1液は、おもにTGAと遊離アルカリでできています。このアルカリの種類が幾つかあります。モノエタノールアミン、アンモニア、炭酸水素アンモニウムが、代表的な物ですが、アンモニアがいちばん臭いのです。
なぜかというと、アンモニアは気体だからいつも揮発しているからです。そのため髪に残留することが少ないのです。分子量は、アンモニア17.0、モノエタ61.1、炭アン79.0とアンモニア以外は液体です。しかし、炭アンは、水溶液中で30度前後でアンモニアと二酸化炭素に分解し、揮発してゆきます。したがって、臭いパーマのほうが傷まないのです。